プリムールとは
プリムールとは
「プリムール」は、ワインの購入方法なのですが、あまりよく知られていません。
簡単に言うと、ワインの先物買いで、商品になっていない熟成中のワイン液を購入することです。そして商品として受け取るのは約2年後になります。
一般的なワインの流通は、秋に収穫されたブドウが樽やタンク、瓶に詰められ、一定期間の熟成を経て、現地の仲介業者や日本の商社、問屋や小売店を通じてお客様のお手元に届きます。
「プリムール」とは、このような買い方とは少し違います。
「プリムール」は、ワインが木樽で熟成している時期に売出しします。プリムールの対象になるのは、前年の秋に収穫されたブドウで造られたワインです。そして約2年後、ボルドーの各シャトーの蔵からワインが入荷し、お客様のお手元に届けられます。
どんなワインが購入できるのか
「プリムール」ワインとして売り出されるワインは、“シャトーもの”と言われる高級ワインがほとんどです。長期熟成を経て味わい深くなり、年月を経るとその市場価格は上昇する傾向にあります。
例えば、「シャトー マルゴー(Chateau MARGAUX)」というワイン。メドック地区第一級格付けのワインで、プリムールワインの花形のひとつです。このような高級銘柄を筆頭に数千円のものまで、幅広いプリムールワインがあります。
世界中のワインのプロが注目する「プリムール」
プリムールワインはまだ市場に商品として売り出されていないことからすると先物取引の要素があります。先物取引でよく聞く食品関係の商品には、穀物で言うと麦、酪農では乳製品などで、天候や自然現象に左右されるものが多いです。ワインも天候などの自然現象の影響を大きく受けます。
今回当店で販売するプリムールワインの仕入れ先であるインポーターは、毎年4月初旬に、熟成中のワインを試飲するためにボルドーを訪ねます。生産者や仲介業者に会い、ワインの出来栄えや市場の様子を直に確認するのです。“プリムール ウィーク”と呼ばれるその期間中、世界中からワインの評論家やバイヤーがボルドーに集結します。ワインのプロたちはプリムール販売されるワインを試飲して、ワインの出来栄えを判断したり、これから先のワインの変化を推測したり、買い付け数を決めたりします。
“プリムール ウィーク”期間中から、各シャトーはその年のプリムールワインの値決めを思案しだします。ワイン評論家の評価、世界の経済情勢、バイヤーたちの思惑を踏まえながらです。
基本的に、格付けの下位層のワインから売り出し価格が決まります。近年で言うと、5月初旬くらいからシャトーのオファーが届きます。上位層のワインは、先に出された価格をチェックして、マーケットの反応(高い!安い!お買い得!それはないよな、、、etc.)を見ながら慎重に値決めをしていくようです。
オファーを受け取ったインポーターは、ボルドーで見聞きした情報を元に、今年の仕入れ数を決め、オファーの出揃う6月末から7月にかけて、日本のお客様にご提示する価格を決めていきます。